大阪府下水道ボランティア 平成30年度活動報告
1.はじめに
当会は、平成17年度から大阪府の下水道事業に従事した者が中心に活動しています。今年度も4月19日に総会を開催し、新規会員4名を迎え総勢89名で始動しました。
当会の目的は、会員自らが長年培った知識・経験を活かし、大阪府の流域下水道事業を支援するとともに、環境問題にも関心を継続して自己研鑽を図ることです。主な活動は、大阪府(流域下水道事務所)が実施する広報活動や環境教育などの取り組みをサポートすることです。
2.30年度の活動概要
4月に年次総会開催後、5月から順次出前講座の支援活動を実施しましたが、6月の大阪北部地震発災により恒例の活動が一部中止となりました。その後も台風21号ほか風水害に見舞われ、災害復旧にあたる現役職員の負担にならないよう活動しました。また、課題であった当会のHPを更新するとともに、新たな取り組みとして研修会を開催しました。
(1)災害時支援
6月18日(月)の朝、震度6弱を記録した大阪北部地震後に、協定書及び連絡体制表に基づき、震源に近い北部及び東部流域下水道事務所と支援要請の有無を確認しました。通勤時間帯での発災で連絡に時間を要したが、結果的に応援は不要となりました。
協定締結後、初めての災害で「具体に何ができるのか」ボランティアの限界を感じつつ、改めて、会員への連絡体制の周知徹底を図ることにしました。
(2)なぎさ体験田(東部流域下水道事務所)
渚水みらいセンターでの枚方市内の小学生を対象にした環境学習(高度処理水利用やお米の話しなどと田植えや稲刈りの農業体験)のお手伝いは、発足当初からの活動です。
地震の影響で6月の田植えの環境学習会は中止となり、土地改良区の皆さんに苗を植えていただきました。秋の稲刈り(10月)は例年通り実施され、近隣の3小学校5年生約190名の参加があり、地元土地改良区や枚方市とともに稲刈りをお手伝いしました。また、12月には収穫したなぎさ米の試食会があり、当会からも2名が参加し舌鼓を打ちました。
(3) 処理場体験ツアー(北部流域下水道事務所)
市民や子供を対象とする処理場体験ツアー(11月:中央水みらいセンター、2月:高槻水みらいセンター)では、微生物の顕微鏡観察やパックテスト、施設見学のお手伝いをしました。家族での申し込みが多く両センターで72組、162名の参加がありました。
(4) 出前講座(南部流域下水道事務所)
主に小学4年生を対象にした恒例の出前講座は、地震の影響もあり4市5校(松原市2校、貝塚市、和泉市、岸和田市)で前年度の8校から減少しました。
私たちは「下水道の役割」の授業やパックテストのお手伝いをし、最後に「下水道博士」の認定書を授与、未来を担う子供たちの記憶に残ってくれたのではないでしょうか。
(5)意見交換会(東部流域下水道事務所)
地震等の災害対応など現役職員の負担を鑑み、東部流域下水道事務所と調整し、10月の渚MCでの稲刈り体験学習後に、意見交換会を実施しました。特にテーマを定めず、事務所から最近の出来事を報告いただいた後に、フリートークしました。限られた時間でしたが、双方活発な意見交換は、場所を移し懇親会へと続きました。
(6)研修会
初めての試みとして、会員の自己研鑽を図るため、1月に研修会を実施しました。下水道室から講師を迎え、最近の下水道行政の現状をテーマに、平成30年度からの公営企業会計の導入、阪神淡路大震災以来の下水道災害(地震・台風)など、熱心に講演していただきました。
その後、懇親も兼ねて下水道室幹部の皆さんとの意見交換会を実施し、現役職員の今日的悩みについても共有化を図ることができました。
(7)HPの更新
当会のHP『POSPUBネット』が会員に利用しやすい環境になるように、小田垣リーダーの下にWGで検討を進め、30年10月にHPをリニューアルしました。会員の皆さんのコラム欄への積極的投稿をお願いします。
以上のように、30年度はイベント合計13回、会員延べ126人が活動しました。
3.今後の活動
下水道にとって平成の世は、後発のインフラとして急成長し、一気に成熟期に突入した時代だったのではないでしょうか。大阪府の流域下水道も、平成最後の年に公営企業会計を導入し、令和を迎え「ヒト、モノ、カネ」の課題を抱えつつ、持続可能な下水道経営が求められています。
一方、下水道は、身近なインフラ~ライフラインでもあるにも関わらず、縁の下の地味な存在です。負担の仕組みは、使用料、税など複雑です。市民の理解を得る不断の努力が欠かせません。
我々も、現役の皆さんと今日的課題を共有しながら活動して参りますので、引き続き、皆様のご支援・ご協力、会員各位の積極的な活動参加をお願いいたします。
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