大阪府下水道ボランティア(27年度活動報告) 代表 大屋弘一
1.経過
当会は大阪府の下水道事業に従事した者を中心に、平成17年度に組織されて、10年余り経過しました。設立の目的は、大阪府の下水道事業を側面から支援しつつ、下水道だけでなく環境問題にも関心を継続し自己研鑽を図ることです。ボランティアとしての具体的な活動は、大阪府(流域下水道事務所)が実施する広報活動や環境教育などの取り組みのお手伝いすることです。
2.27年度の活動
27年度当初の会員数は72名ですが、主な活動を以下に紹介します。
(1)渚水みらいセンターでの枚方市内の小学生を対象にした環境学習(高度処理水利用やお米の話しなどと田植えや稲刈りの農業体験)のお手伝いは発足当初からの取り組みです。枚方市内の3小学校の5年生160余名の参加があり、地元改良区などとともに田植え及び稲刈り両日のお手伝いをしました。
(2)市民や子供を対象とする処理場体験ツアー(中央水みらいセンター)や処理場見学会(高槻水みらいセンター)において、微生物の顕微鏡観察やパックテストによる水質試験のお手伝いをしました。
(3)主に小学4年生を対象にした恒例の出前講座は、今年度は5市(大阪市・枚方市・東大阪市・松原市・岸和田市)6校で「下水道の役割」の授業やパックテストによる水質試験の指導のお手伝いを行いましたが、子供たちの記憶に残る授業となり、ボランティアの応援の甲斐も感じられます。

(4)この他、自己研鑽や自主的啓発活動として、「流域下水道50周年記念シンポジウム」や東部下水主催の「旧庁舎の思い出を語る集い」、「水環境をかたる会」といった講演会、下水文化研究会主催の見学会等にも参加しました。
このような、田植え・稲刈り、処理場見学会、出前講座、シンポジウム・講演会等に、下水道ボランティア会員が、延べ161人参加しました。
(5)技術の継承(思いの継承)は当会にとっても不可欠な活動ですが、それ以上にOBと現役職員との交流を意識的に保っていくことは極めて重要なことと思います。
今回、流域下水道50周年記念行事にあわせて、下水道OBの貴重な財産である「今に活きる経験」「伝承しておきたい事項」「現在の立場からの所感」等をとりまとめ、『明日に向けて贈る100のメッセージ ~大阪府流域下水道50周年に寄せて~』を発刊するとともに、ホームページに掲載しました。また大阪府竹内副知事、都市整備部長、下水道室長、3流域下水道事務所長他、現役の関係部署に寄贈しました。寄稿をいただきました61名の皆様に改めてお礼を申し上げます。
3.課題や今後の方針
大阪府の流域下水道が50周年を迎えた今、広報活動はますます重要になっています。当会の日常的活動は大阪府の実施する広報・啓発・学習活動を支援することです。行政におけるこれらの取り組みは、度重なる人員削減などから、新たな取り組みがなかなかできていないと感じています。だからこそボランティアの存在意義が増すのではないでしょうか。
〔技術の継承〕
一方で、各職場では「技術の継承」が大きな課題になっています。当会としても、OB職員の知識や経験を活かして技術の継承の一助となるとともに、一方で府職員の方の手間と工夫をお手伝いできるような力を蓄えていかなければなりません。なによりも実践の機会の増加と、ボランティア会員の積極的な参加が望まれるところです。
〔HPの活用〕
当会のホームページ『POSPUBネット』は開設し7年目に入っています。しかしながら、HPの閲覧数や「会員のつぶやき」コーナーへの投稿が少ない状況です。引き続き工夫を図っていきますが、会員の皆様の積極的な参加をよろしくお願いいたします。
〔災害時支援〕
当会の規約には大阪府の要請に基づく非常時の行政支援活動も定義されています。災害時の施設の状況の掌握や調査・復旧には行政的知識と技術を持った多くのマンパワーが必要であることは言うまでもないことです。職員だけでの対応では長い時間と膨大な事務があることはライフラインの一端を預かる下水道にとって重大な課題です。我々ボランティアも非常時に備えて行政組織との連絡・連携をきちっと維持していくべきと考えています。
引き続き、皆様のご支援・ご協力、そしてなによりも会員各位の積極的な参加をお願いいたします。
以上
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